◆動脈硬化の進み方
アテローム(粥状)硬化
比較的太い動脈に起こる。
コレステロールが、血管内壁にこびりついて、こぶのように固まる。
細動脈硬化
中膜硬化
糖尿病の人に多い。動脈の中膜にカルシウムがたまる。
◆糖尿病とはどのような疾患なのか
食事をすると、糖質は分解されてブドウ糖となり、血液中に入って全身に送られます。
そしてすい臓から分泌されるインスリンの働きで、ブドウ糖は細胞内に吸収され、
私たちの活動に必要なエネルギーとなります。
エネルギーとして使われなかったブドウ糖も、やはりインスリンの働きで脂肪細胞の中に蓄えられます。
ところがなんらかの原因でインスリンの分泌量が少なかったり、働きがよくなかったりすると、
ブドウ糖が細胞内にうまく吸収されず、血液中にあふれ出て
しまいます。こうした状態が続くと、
血液中のブドウ糖の量(血糖値)が慢性的に増え、からだのさまざまな部分に悪影響
が出てきます。これが糖尿病という病気です。
◆糖尿病の合併症の怖さ
◆動脈硬化による心筋梗塞、脳血管障害
◆網膜症
◆腎症
◆神経障害
◆認知症と糖尿病、脂質異常症
日本人の認知症の6〜7割は脳卒中によるものと言われています。
脳卒中のリスクファクターの多くは生活習慣病(特に中性脂肪が高い)と深く関係しています。
アルツハイマー型認知症
レビー小体型認知症
血管性認知症
耐糖能異常がある人はない人に比べて
・4.2倍脳血管性認知症になりやすく
・4.6倍アルツハイマー症になりやすい
中性脂肪が高いと
心筋梗塞になりやすい
脳卒中になりやすい
◆脂質異常症の診断基準
◆中性脂肪が増えすぎた状態
中性脂肪が多いと、善玉コレステロールが減って、悪玉コレステロールが増えやすくなる。
内臓脂肪型肥満の人に多く見られる。
◆コレステロールが増えすぎた状態
◆血中脂質の種類と役割
◆血液中にある4つの脂質
細胞膜やホルモンの構成材料、エネルギー源になる、血流にのって、全身に行き渡る。
脂質は血清に溶け込んでいる。
コレステロール
リン脂質
細胞膜を構成する成分の一つ。脂質を水になじませる働きがある。
コレステロールや中性脂肪はそのままでは水に溶け込めないので、リン脂質により血液になじませる。
中性脂肪
遊離脂肪酸
中性脂肪はそのままでは燃やせません。遊離脂肪酸という燃えやすい物質に変えて、血液中に放り出されます。
米国での実験では、腕立て伏せや腹筋・スクワットなどを10〜20回行うだけで、多くの方の運動後の遊離脂肪酸の量が2時間後まで増え続けた そうです。
◆脂質異常症が引き起こす疾患
◆脂肪肝
◆急性膵炎
◆胆石症
◆痛風
◆脱水症でも血液ドロドロになる
冬場でも注意
体の水分が減ると、血が濃くなってドロドロ状態になり、脳梗塞や心筋梗塞の一因になることがあります。
◆血液ドロドロと痛風
痛風になる可能性が高い
血液の中の尿酸は、尿となって排出されるのですが、血液ドロドロ状態では排出できません。高尿酸血症は痛風になる可能性が高いのです。
合併症
・痛風
・尿酸結石
・腎障害⇒腎不全(尿酸の沈着による)
・動脈硬化症
・高血圧
痛風と牛乳
牛乳はプリン体ゼロの食品ですから、痛風の方でも安心して飲んでいただけます。
牛乳を飲むと高尿酸血症を改善する効果があると一節でいわれています。
ただし≪じゃぶじゃぶ飲むのはよくありません≫
これは痛風予防の段階で、低脂肪乳を飲んでいる人と牛乳を飲まない人では痛風の発症率が半減したというのです。なぜなのでしょう、プリン体ゼロだからでしょうか。高尿酸血症の方は既に体内に高い値の尿酸があります。単にプリン体を摂取しないだけでは、尿酸値は改善されません。牛乳の中には、カゼインとラクトアルブミンというたんぱく質の一種があります。これらは腎臓からの尿酸の排出を促進する成分です。よって牛乳を飲むと、プリン体は摂取しない、尿酸は排出するというなんとも効率的な作用があるというのです。
◆血液サラサラ:牛乳
牛乳で血液サラサラになる
ただし≪じゃぶじゃぶ飲むのはよくありません≫
牛乳にはタンパク質とカルシウムが豊富に含まれています。
カルシウムには神経を鎮静させ、気分をリラックスさせる副交感神経を正常化する働き
もあるので、カルシウムをしっかり摂取することで、ストレスや不眠症などを解消するのに役立ちます。ストレスは血液の流れを悪くする原因のひとつです。
ストレスを感じると自律神経の働きによりアドレナリンなどのホルモンが血液中に分泌されます。すると心臓の働きが活発になるほか、血管が収縮するため血圧が上昇します。また、アドレナリンの作用により血球も活発化して血液の粘度を増し、ドロドロ血液の原因にもなるのです。
また牛乳に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の増殖を助け、悪玉菌が増えるのを防ぐ働きがあります。つまり牛乳には腸内環境を整えて、腸を健康な状態に保つ働き
があるのです。腸の調子が整えば、大腸がんの予防にもなるほか、コレステロールの排出効果
も高まります。
このほか牛乳にはビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。皮膚や粘膜を健康に保つ動物性ビタミンAのレチノール、
脂肪やタンパク質のエネルギー代謝を促進するビタミンB2
カルシウムの吸収を助けるビタミンDなどが含まれています。また胃粘膜を保護し炎症を抑える働きがあるので、胃潰瘍の予防にも効果があります。